ワーモスで選択が可能なネック構造についての紹介を、僕(SPOONのイマムラ)の経験と主観を交えながら紹介させてもらおうと思います。
今回は、重要な話なので、いつもみたいな余談はまたの機会にしたいと思います。(いつも不要な話なわけでも、余談をもうしないわけでもない)
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コンストラクション(Construction)とは、『構造』、ネックの仕組みのことです。
ワーモスネックでは、大まかにいうと3つのコンストラクションが選べます。
・Modern(モダン)
・Vintage/Modern(ビンテージ/モダン)
・Vintage(ビンテージ)
の3つです。
その他に『Gibson Conversion』というロングスケールのギターをミディアムスケールにできるネックも選べますが、構造としては『Modern』と同じです。
それでは早速、一つずつ解説していきたいと思います。
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Modern(モダン)
『Modern』は、その名の通りビンテージの弱点を現代的に改善した構造です。
トラスロッドを内部に二本仕込むことで、これまでの一本のロッドでは調整が届かない箇所(特に12フレット以降)での反りに対して、格段に安定が増しました。(画像の茶色の矢印の動き)
いわゆる『元起き(ハイ起き)』という症状も現れにくく、本当に『どストレート』なネックコンディションが期待できます。
モダンコンストラクションの大きな特徴として、ロッド調整を、ネックや弦を外すことなく、ネックヒールのサイドから調整できるという素晴らしいメリットがあります。
ユーザーの方が感じる、ロッド調整の大きなハードルの1つに『ネックを外さないといけない』というものがあります。自分でまた正しくセッティングできないのではないかと思うと、ネックを外すなんて恐れ多い気がしますよね。
でも、この構造ならば、そんな心配は無用なのです。
また、多くのネック材、指板材に対応したコンストラクションでもあります。
・構造上ワンピースネックは選べません。(メイプル同士でも貼り指板になります)
・サイドのポジションマークは指板の中ほどに位置します。
・ポジションマークインレイ、バインディング共、フルオプションから選べます。
・21か22フレットを選べます。24フレットを選択する場合は、取り付けに際しフロントピックアップの位置が関係してくるので、別途お問い合わせください。
いいことづくめのモダンコンストラクションですが、デメリットを挙げるとするならば、二本のロッドが仕込まれ、サイドアジャストシステムを組み込んだことで、他のネック構造よりも少し(約80g程)重たくなる点が挙げられます。
そのためネック自体の鳴り方(振動具合)も締まったサウンドになる傾向があります。
モダンなジャンルを演奏するユーザーや、ネックの調整を重視する方には、間違いなくおすすめの構造です。
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Vintage/Modern(ヴィンテージモダン・V/M)
『Vintage/Modern』は、フェンダーストラトでいうと60年代後期から70年代にかけての、CBS期(ラージヘッド期)に近いネック構造です。
トラスロッドはヘッド側から調整でき、そのための穴がヘッドに空いているのも特徴です。(『ブレット(Bullet)ナット』はつきません。)
・『モダン』コンストラクションよりも軽く、ネック自体の鳴り方(振動)や倍音成分も豊かです。
・指板はワンピース、貼り、どちらも選べます(例外有り)。
・ネックの裏に『スカンクストライプ』と呼ばれる、ウォルナットの縦ラインが入ります。
・サイドのポジションマークは指板の中ほどに位置します。(ムーングロウは選択不可)
・ポジションマークは各種選べますが、バインディングは選択できません。
・21か22フレットを選べます。24フレットは選択できません。
ネックの鳴りを損なわずに、調整も比較的しやすい構造でいいとこ取りの、個人的には一番好きなコンストラクションです。
ちなみに近年のフェンダーネックに一番近い構造でもあります。
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Vintage(ヴィンテージ)
『Vintage』は、フェンダーギターが世に登場した初期(1950年代)のネックに近い構造です。
トラスロッドは、ネックを外してヒール側の十字のナットを回して調整します。
・メイプル指板のものはワンピース構造となり、メイプル指板以外のものにはスカンクストライプが入ります。
・ネックサイドのポジションマークは、指板とネックの境い目にドットが入ります。
・ポジションマークは各種ドットのみ選択可能です。
バインディングは選択できません。
・このコンストラクションに限り、7.25R(7-1/4")のストレートラディアスが無料で選択できます。
(通常はコンパウンドラディアス以外は有料オプションです)
また、フレット数は21フレットのみとなります。
ビンテージの感触とトーン、ルックスを得られるのはこのコンストラクションです。
※CBSヘッド(ラージヘッド)ではこの構造は選べません。「本家の仕様に忠実に」ということなのだろうと解釈しています。
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以上が、3つのコンストラクションの特徴です。
もしどの構造にするか迷っている場合は、大きなこだわりをお持ちでない限りはModern か Vintage/Modern のどちらかから選ぶのがいいと思います。
鳴りや軽量さを重視するならば『Vintage/Modern』。
反りにくさや調整のしやすさ、締まった鳴りを得たいのならば『Modern』という感じです。
ビンテージのルックスとフィーリングを追求する方は『Vintage』です。
よくわからないよ、コンニャロ! という場合は、イマムラまで、いつでもご連絡ください。
あなたの気持ちに合ったコンストラクションを一緒に選びましょう!
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