
今年の八月は、結構なスピードで過ぎていったように感じるのは歳のせいだろうか、なんて考えているイマムラです。
ちょうどお盆辺りにたくさん雨が降って、その前後がとても涼しく夏っぽくなくて「夏感」を感じる日数が少なかったのかもしれません。
このタイトルで記事を書き始めたのは、きちんと9/1だったのに、今日(9/4)までずれ込む自分の仕事に「俺らしいな!」って思っているイマムラです。
今日は、SPOONで行ったリペアというか、改造というか、そういうのを紹介します。
この白いエスクワイヤの画像は、『Fender Original Canvas Esquire』というモデルで、その名の通りボディトップは白一色の「まるでキャンバス」という一本なのです。
ちなみにボディバックはこう。

変わってるー!
バックはナチュラル。
遊び心のあるモデルで、とても面白いです。
限定品だったので、オフィシャルページはもう削除されていますが、このシリーズは、『Canvas』というだけあって、プレイヤーが自由なデザインをボディトップに描くことが想定されています。
有名なグラフィックアーティストがTOPのデザインを手がけた限定品の同モデルもあり、かなりの変わり種ギターなのです。
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余談ですが、最近のフェンダーは、遊び心満載で、僕が「フェンダーにはこういうの無いし、面白そう!」とかって頭で考えていたモデルが、どんどんパラレルユニバースシリーズなんかで出てくるので、正直本家にそれやられると、僕としてはあんまし面白くないんです。
クラスで目立つ優等生に負けないように面白いことしてたら、優等生も面白い冗談言い出した、なんてこまるじゃないですか。もちろんもっと面白いこと言うつもりですが。
あんまり変なモデルばっかりで、数十年後にレアな不人気モデルとして、マニアックな存在になるんじゃないかなんて思ってるんですが。Leadシリーズみたいに。
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話を戻して、このギターがどうしたかというと、先日SPOONをよくご利用いただいている広島のお客様よりご依頼があったのです。
これまでに当店で数本のギターをオーダーいただいている美馬さん(Twitterのページです!)は、広島でペイブロウズという3ピースバンドでボーカルギターを担当する若者です。
このバンド、僕にはなんだか現代の2020年代の音楽というよりも、自分が青春時代だった90年代、00年代の男のロック臭がして、とても好いてしまったのです。
是非皆さん音楽アプリで「ペイブロウズ」検索してご試聴してください。
個人的には「stray man」と「youth」がお気に入りです。
社交辞令とかあんまりしない性質なので、本気です。良い声してます、声がいい。低い声が特にいいですね。
本人にも伝えたのですが、ちょうどいいかっこつけ方です。ナルシストになりすぎず、ぶっきらぼうにならず、その塩梅が心地いい歌声です。
ギターの音も良い。自分のとこのギターなので何度でも言いますが、ギターの音がいい。良い音。
でも冗談じゃなくて音作りが上手で、ギターがいろんな良い音出してます。
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関係ないですが、『ナルシ“シ„スト』が正しい表記と知りながら、そうは言いたくなくて、『ナルシスト』って言ってしまいます。だってナルシシストなんてきちんと言ってる方がナルシシストなかんじしませんか?
ジャンパーもジャンバーっていっちゃいます。
ボンバー? ボマー?
なぞは尽きません。
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えーと、すいません。そしてですね、この若者が冒頭のこのエスクワイヤを購入されたわけです。僕(イマムラ)と次のギターの構想を練っている途中だったので、このギターを見つけて買ってしまってもうしわけないと、律儀にご報告してくれました。
そしたら、数日後に彼より連絡があり、
「やっぱりフロントピックアップが欲しい」
とのこと。
"じゃあ、エスクワイヤじゃなくても……"という声は、どこかへ放ってしまってください。
ほんで、そのあと何度かやり取りしながら、改造の仕様を決めていき結局こういうギターに生まれ変わりました。
わあ、普通のテレキャス!
面影がない、とはこのことでしょう。自由にデザインしていいって言ったけど、こういう意味じゃない! ってフェンダーが言うのが聞こえそうです。

Topをブラックに塗り替えて、フロントピックアップザグリを追加します。

ネックもフェンダーの白っぽいメイプルをアンバー(琥珀)色にコーティング。
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こういう改造は巷では全然珍しくないのですが、このギターはそれだけじゃないんです。
もったいぶってるんです、今、僕。
実はこのギター、持ち主の美馬青年により"YAKUZAcaster"と命名してもらいました。YAZAWAじゃなくてYAKUZA。
何が893(やっぱりしっかり表記するのはためらわれます)かというと、この人は背中に絵が描いてある人なんですね。(美馬さんがではない)
ボディバックがこうなんです。
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『ジャーン』って言いたくなりますね。
かっこえー! バックがペイズリーなんて、粋じゃありませんか。
この美馬さんのセンス、素晴らしいと思うんですよ。
僕なんか、自慢したいことあったら、一番にその話をしだしてしまうタイプなので、こういう秘めたダンディズムみたいなのに、男らしさを覚えます。

ゴールド/ブラックのペイズリーシートを使っています。フェンダーからブラックペイズリーの限定品も出ていましたが、あっちは白黒でなんか安っぽくていまいちに思っていたのですが、これは本当にシックでゴージャスで、いい!

全体の後ろ姿です。
YAKUZAとは、あまり近づきたいとは思っていないのですが、なんか背中に絵を描く(彫る)美学を少しだけ理解したような気持ちになりました。
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ペイズリーシートは他にもたくさんの色違いが用意できます。気になった人はご連絡ください。
そのうちSPOONのギターにもペイズリー柄のものが出てくるはずです……。
でも、僕はさっきも言ったようなタイプなので、バックは絵なしでTopだけペイズリーとかにしちゃいそうです。だってせっかくなら見せたい!
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このギターと一緒に美馬さんが音楽を楽しんでくれたら、とっても嬉しいのです。
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今日の一曲は、「Kula Shaker」の"Hey Dude"です。
このバンドは、UKロックが輝きを放った90年代の中でも、サイケな要素を取り入れ異色を放ったバンドでした。
ビートルズで言えば、ホワイトアルバムですね。シタールも良く使われ、シングルのB面では、フロントマンのクリスピアン・ミルズによるマントラ(「祈り」や「讃歌」「詠唱」のようなもの)がサンスクリット語で朗読されたりしてます。バンド名自体、ふるーいインドの王様から採ったというくらい、です。
このクリスピアンは、ライナーノーツかなんかで読んだ記憶があるのですが、イギリスで彼のおじいさんの名を冠した「通り」(ストリート)があるくらいの名家の出だとか。
うむう、いるんですね。お金持ちな上に、良い男(顔)でスタイル抜群で、歌も、音楽センスも突出してるような人。
以前の記事でも書いたのですが、僕は高校生の時によく行くCDショップで、このバンドのちっちゃいスタンドポップを持って帰って、家に飾っていたといういけない少年だったのです。10年後に自分自身がそのCDショップ店員となり、懺悔することになるのですが。
サイケファンですので、ギターはジミヘン風の70'sスタイルのストラトでワウも多用したりするスタイルです。
ここにきて、たまたまペイズリー柄ギターと話がつながったな! って気付いて、狙ってなかったので、行き当たりばったり感を強く感じ「俺らしいや!」と思ったイマムラでした。
『行き当たりばったり』って、なんちゅう言葉や……。
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今日もブログを読んでくれてありがとうございます!
SPOON
今村