最近はギターよりもエフェクターの記事の方が多いのですが、今回もです。
今日はSPOONで問い合わせの多い、『Dulcet Pedals - Masters』についての記事です。
『ダルセットペダルズ - マスターズ』と呼びます。(単に『ダルセット』とも呼んでいます)
デジマートの記事でも、いくつもケンタウルス系のコラムが掲載されたりと、未だ衰えない(というか盛り上がっている)Centaur系ペダル人気。
ちなみにこんな感じです。↓↓
完全に余談ですが、この田渕ひさ子さんの記事を自分は最近のものと勘違いしてました。
この記事の下の方のギタマガ最新号の紹介を見て「ふーんゲスの極み乙女の人はギタマガの表紙にまだなれるんだな」とか思ってました。2016年のやつだったんですね、安心しました(何が不安だったのか)。
デジマートの人気コラムランキングに、一時は4つもケンタウルス系の記事が並んでいて、その注目度合いに一人驚いておりました。
SPOONでも、PartsPipeとDulcetへのアクセス、問い合わせがとても多いです。
特にDulcetは、 情報がほとんどないため、
1.これは一体どういうペダルだ?(素性)
2.音はどんなだ?
3.PartsPipeとどっちがケンタウルスに近いのだ?
4.ゴールドとシルバーはどっちがいいのか
(現在GOLDはメーカー生産終了)
というご質問をよくいただきます。そう、よくいただきますので、改めてここで回答させていただきます。
1.これは一体どういうペダルだ?(素性)
まず、ひと目見て、このマスターズが『ケンタウルス』のサウンドをイメージしたペダルであることはおわかりいただけると思います。
このペダルは香港の個人ビルダー・モーガンさんにより一台一台製作されています。
SPOONのイマムラが、PartsPipeペダルを探している過程で、ネット上で知り合うことができたビルダーさんです。
ケンタウルスの圧倒的なサウンドに魅せられたモーガンさんは、サウンド波形をデジタル解析し、オリジナルに近づくために徹底的にパーツを研究しました。コストよりもサウンドを最優先したペダルは、オリジナルへの最高の敬意を表して「Masters」と名付けられました。
抵抗やオペアンプに詳しくない自分でも、ポットが他のレプリカとは違うことは良くわかります。
ポットの違いによる音の違いは、明言できませんが、他のパーツもなるべくオリジナルに近いものを、という気概がこの点でも感じられます。
2.音はどんなだ?
もちろんケンタウルス系のサウンドで、ワイドレンジなブースター/オーバードライブペダルです。
単体としても、もちろん有機的で素晴らしいドライブ感。または、アンプや他の歪みの前段に置いてもとても優秀に機能してくれ、メインの歪みの質を持ち上げる様な役割を果たしてくれます。
3.PartsPipeとどっちがケンタウルスに近いのだ?
こればかりは、本家のCentaur自体が個体差の大きなペダルとして有名なほどなので、「似ている」と判断した人が弾いたCentaurと同じ個体を試さない限りは断定ができません。
ただ、PartsPipe・Dulcetのどちらもその本家の「個体差」の範疇には収まるサウンドの違いだと思います。筐体が同じこともその感覚には一役買っているかもしれませんが……。
どちらが「似ている」かということは断定できませんが、PartsPipeとDulcetの違いは明確にあります。
Dulcetの方がPartsPipeよりも若干クリアでタイトな印象があります。歪む帯域の違いか、Dulcetは低音弦もきちんとぼやけずに出てくれます。
ただオーガニック(有機的)ともいえる「いなたさ」のような感じはPartsPipeの方が、より感じられます。
とはいえ、Dulcetも十分オーガニックなサウンドです。クセの違い、という方がいいかもしれません。
4.ゴールドとシルバーはどっちがいいのか(現在GOLDは生産終了)
これは、色の違いによるサウンドの違いはありませんので、お好きな方を選んでください!
……とここまで書いたうえで、最後に、僕(イマムラ)の個人的な、あくまで個人的な印象を書きます。
僕がこれまで弾いたCentaur(10台には満たないくらいです)の印象と似ているのは、実はPartsPipeです。
そして、音が良くて好きだと感じているのはDulcetの方です。あくまで個人の好みです。
PartsPipeを初めて弾いたときは、これまで弾いたケンタウルスを思い出したんですね。
「そっくりやん!」
とは思わずに、
「いいなあケンタウルスは」
って、もう本物弾いてる気になったんです。
そしてDulcetを弾いたときには、「あ、」って思いだしたんです。
自分はこれまでもケンタウルス系のペダルを好きで弾いたことが何台かあるんですが、その中でも、「これ本物よりよくないか!?」って思ったペダルがあったんですね。
それはnature soundの「VKC」でした。
「VKC 13」ではありません。最初の最初に出た極少生産数(20台無かったような…)のうちの一台で、価格も売価で7,8万円したと思います。
それは、とてもクリアでオーガニックで、良いペダルでした。そのモデルは本家のいわゆる「FAX ONLY」の完全レプリカを狙ったモデルでした。
FAX ONLYを弾く機会にはいまだに巡り合えてない自分は、
「なるほど。『本物よりいい』というよりも、自分が弾いたケンタウルスよりもいいだけで、本家の『当たり個体』はさらにこんないい音がするのか!」
と納得したものでした。
前置きが長くなりましたが、そのときの感覚を思い出したんですね。
ということは初期の当たり個体にもほど近いサウンドなのでは! と思っています。
PartsPipeが似ている、とは言ったものの、Dulcetはまだ知らぬFAX ONLY期の当たりに近いサウンドなのか…!?
(自分が弾いたケンタウルスに大当たりはなかったということか……!?)
とはいえ、すべてのFAX ONLYが当たりではないことも当然。
そして、どちらのサウンドが好みかももちろんひとそれぞれ。
自分が何かの機会にFAX ONLYを弾いて確かめることができればいいなと思っています。
どちらも良いペダルです!
お客様のレビューも紹介中です!(ペダルのレビューあります)
+++
2021/7/6
追記
一年たって、お客様から頂いたレビューを交えて、
再度PartsPipeとDulcetの記事をアップしました。ご参考に…!
+++
SPOON
今村
コメントをお書きください